正常な抑うつ気分。「うつ」が記述的な言葉として使われた場合、それは気分の低迷、落胆、倦怠感、失望感などの意味を表します。これらの感情の状態は病気のうつでも臨床的うつ状態でもなく、すべての人にとって普通の感情的反応です。落胆や気分の低迷は、誰もが持っている、通常は意識上の自尊心の中による小さな欠陥が何らかの状況により刺激され、それが引き金となって起こります。これらは同級生から無視されたときや、良い仕事が他人の手に渡ってしまったり、恋愛関係の誘いを拒否されてしまった、などが含まれるかもしれません。これらの問題は通常軽く、自己制御ができるため、ストレスや敏感さの度合いが過度に大きくなければカウンセリングなどの対処法は必要ありません。
人格とうつ病。自尊心に対し、深く又は多大な欠陥を持つ人々は(例:愛されていない、必要とされない、見下される、認められない、無能力だ、などと感じることを中核問題としたり精神の枠組みとしている)中核問題が「自身」や人格に根付いているのかもしれません。ひどくなれば、人格障害といいます。この低迷した気分は、これらの欠陥(無視される、拒否されるなど)の刺激により悪化するでしょう。これらの問題の治療には、人格の再構成に的を集中させたセラピーが好ましいです。
医学的なうつ病。気分の低迷が主な悩みであり、うつ病(大うつ病とも呼ばれる)がある中で、「うつ」という言葉は誤解を招きやすいのです。なぜなら、気分の低迷のほかにもたくさんの症状が行動(スピードの遅さ、無関心さやだるさ)、認識(集中力の低下、考えの不足又は欠陥、記憶力の低下)、社交関係(回避、劣等感)、自尊心(自尊心の低下による罪悪感、絶望感、自殺の考慮)や身体に現れる症状(睡眠と食欲の増加、性衝動の低下、頭痛、耳鳴り、めまい、便秘、筋肉の痛みなど)としてあるからです。また、うつ病の主な特徴は生活における興味、喜びの減退です。別の観点から考えると、喜びを覚える閾値(喜びを感じられる最小のレベル)が引き上げられています。そのせいで、正常な気分を感じるために、刺激の高い活動(危険性の高いスポーツ、ポルノ雑誌・売春など)に夢中になるうつ病患者もおられます。
学会で定められているうつ病の基準を下記のように提示します。 以下の規準が3つ以上があれば、軽いうつ病或いは部分的なうつ病を示唆され、5つ以上が殆ど毎日、殆ど一日中、2週間の間に存在している場合うつ病という定義に満たされます。2-3つの規準があるだけでも、苦痛或いは社会・職業的な機能に対して悪影響があった場合、カウンセリングセラピストとの相談をお勧めします。
うつ病の診断基準
この規準は、多くみられているうつ病(大うつ病)診断基準を描きますが、他のうつ病の種類、非定型うつ病、慢性軽いうつ病(気分変調症)、躁うつ病のうつ病、反復性短期うつ病などはうまく説明できない場合があります。うつ病のような規準があれば、専門家によるカウンセリングを勧めします。ご自分、ご家族など身近の方が精神的に悩んでいれば、目黒カウンセリングセンターにお気軽にご連絡ください。
上記の診断基準は米国精神医学会出版の精神障害の診断と統計の手引き(DSM)及び世界保健機関(WHO)の疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)基づいており、このページに適応させるため、目黒カウンセリングセンターが微修正を加えました。
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